よくある質問

 

よくある質問(心不全)

足にむくみが出てきたら、心不全になったということですか?
むくみは心不全のひとつの症状ですが、肝臓や腎臓の病気でもむくみはあらわれます。また、心不全の程度によりあらわれかたが異なります。心不全かどうかは、息苦しさや疲れやすさ、基礎疾患等さまざまな要素や検査結果をみてから判断することになります。
どのくらい悪くなったら入院しなければなりませんか?
症状が軽い場合は外来で治療します。平らなところを歩くときはなんともなくても、坂道や荷物をたくさん持ったときに息苦しくなるようなら、一度専門医を受診しましょう。仰向けになって寝るとせき込んで眠れない、からだを起こすと楽になるという状態であれば、即座に入院して治療しなくてはなりません。病状が変化したら早めに受診することが重要です。
心不全が悪くなると、なぜ横になったときに苦しくなるのですか?
心不全の方はもともと心臓のポンプ機能が落ち、からだのなかで血液を循環させる力が低下しているだけでなく、肺に水分がしみ出して(肺うっ血)酸素を血液に取りこみにくい状態にあります。からだを横にすると、下半身から心臓にもどる血液の量が増えて、さらに心臓への負担が大きくなり、苦しくなります。また起き上がった姿勢にくらべて内臓が肺を圧迫するので呼吸自体も苦しくなります。この状態は上半身を起こすことで楽になりますが、これは「起坐呼吸」といって心不全に特徴的な症状です。高い枕のほうが楽になる、というのも心不全になりかけている兆候かもしれません。
心不全といわれたら、とにかく安静にしていなくてはいけないのでしょうか?
心臓は非常に丈夫な臓器で、多少具合がわるくてもそれを表に出さないようにする代償機構がそなわっています。そのため心不全の症状があらわれたときにはすでに重症になっていることもあります。そのような場合、最初は安静にしていなくてはなりませんが、病状が改善してくるにしたがって少しずつ起き上がったり歩いたりするリハビリテーションを行います。病状が軽くなれば無理をしない程度に普通に生活を送ることができます。
薬をきちんと飲んでいれば、ほかに治療は必要ありませんか?
薬をきちんと飲むことはとても大切ですが、それだけでは不十分です。薬によって病状が安定してきたら、少しずつからだを動かすようにします。適度な運動をすることで、心不全の症状が軽くなることがわかっています。ただし、必要な運動量には個人差があり、それぞれの方に適した運動法と運動量があります。がんばりすぎるとかえって悪化することもありますので、医師や運動療法士の指示をきちんと守ってください。また、生活習慣の改善(禁煙、禁酒、肥満の是正、減塩食、水分摂取の制限、高血圧や糖尿病のコントロール等)については、薬を飲んでいても継続してください。
心不全の治療薬を複数飲んでいます。
一生同じ数だけ飲み続けることになるのでしょうか?
慢性心不全では薬による治療が不可欠です。そしてそれぞれの薬剤の処方目的が違うので複数処方されているのです。あなたの心不全の状態に応じて薬の種類が変わったり、量が変更になったりします。自覚症状が良くなったからといって自分の判断で薬を減らしたりやめたりしないことが大切です。自覚症状の改善は薬の効果によるもので、薬をやめるとかえって悪化してしまう場合があります。
心不全になったら、スポーツはもうできないのでしょうか?
重症度によります。また、心不全に合併することが多い不整脈の種類によっても運動がどれくらいできるかが変わってきます。運動して苦しくなったときは、すぐに中止してください。医師が指示する運動量を守ってください。ゲーム性が高いスポーツはついがんばり過ぎてしまうことがありますので、とくに注意が必要です。
血圧が高いわけでもないのに食塩の制限を受けました。
また、水分の量も制限されています。なぜですか?
心不全では体内の水分が滞ってからだのむくみとなってあらわれることがあります。塩分の多い食事をとっていると、血液中の塩分濃度をちょうどよく保つために水分を多く摂取したりからだからの水分の排泄が制限されたりし、その結果、からだがむくんでしまいます。この状態は機能の低下した心臓にさらに負担を強いることになります。ですから、心不全の治療の一環として塩分や水分の制限が行われるのです。
減塩がうまくいっているかどうかをみる簡単な方法がありますか?
退院したときには体重が減っていても、しばらくすると体重が増えてくることがよくあります。ほとんどの場合、原因は自宅に戻ってから塩分の摂取量が増えたためです。したがって、退院後も毎日体重を測っていると、減塩が守られているかどうかがわかります。
血圧や血糖値が高いことも心不全の悪化に関係しますか?
心不全の原因はいくつかありますが、高血圧もそのひとつです。高血圧は血管の中を流れる血液の圧力が高い状態ですから、心臓が血液を送り出すために大きな負担がかかってしまいます。糖尿病は心臓病や血管疾患を起こしやすくする危険因子です。ですから、もちろん血糖値も血圧も高い状態が続くのは、心不全にとってよくありません。目標値を決めて、できるだけきちんと血糖値をコントロールするようにしてください。
太りすぎといわれました。ダイエットしないとだめですか?
肥満は心臓の病気にとって大きな危険因子です。心不全になっていなくても心臓の病気といわれたら肥満傾向にある方は減量するように心がけてください。心不全の場合は、心臓の機能をチェックするためにも厳重な体重管理が求められます。体重が増加するとからだ全体の血液量が増えますので、それだけ心臓に負担をかけることになります。逆に体重が減少すると心臓への負担が減りますので、心臓の機能に少し余裕が出てきます。ただし急激にやせたり、やせすぎたりするのはかえってからだに負担がかかりすぎてしまうので、ゆっくりと適度な減量にとりくんでください。肥満といわれるのはBMI(ボディ・マス・インデックス)で25以上です。BMIは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の式で計算することができます。
お酒やタバコはやめなくてはいけませんか?
アルコールもタバコも心臓の病気では危険因子とされています。心不全がない高血圧の患者さんであれば、禁酒ではなく節酒でよいとする指針もありますが(日本高血圧学会/高血圧治療ガイドライン)、心不全の状態となったら禁酒は不可欠です。タバコは心不全の原因となる病気のすべてに対して悪影響があることがわかっています。もちろん心不全の進行も早めてしまいますので禁煙してください。
妊娠や出産はあきらめなくてはなりませんか?
心不全が重症であれば妊娠・出産は母体に大きな危険を及ぼします。妊娠中に母体の体重が増えるとともにからだ全体の血液量も増えて、妊娠9ヵ月にはもっとも多くなり、心臓に強い負担をかけてしまうからです。軽症であれば出産することは可能ですが、産婦人科、循環器科の医師と相談し、厳重にコントロールしながら慎重に経過をみていく必要があります。


 足にむくみが出てきたら、心不全になったということですか?

 むくみは心不全のひとつの症状ですが、肝臓や腎臓の病気でもむくみはあらわれます。また、心不全の程度によりあらわれかたが異なります。心不全かどうかは、息苦しさや疲れやすさ、基礎疾患等さまざまな要素や検査結果をみてから判断することになります。


 どのくらい悪くなったら入院しなければなりませんか?

 症状が軽い場合は外来で治療します。平らなところを歩くときはなんともなくても、坂道や荷物をたくさん持ったときに息苦しくなるようなら、一度専門医を受診しましょう。仰向けになって寝るとせき込んで眠れない、からだを起こすと楽になるという状態であれば、即座に入院して治療しなくてはなりません。病状が変化したら早めに受診することが重要です。


 心不全が悪くなると、なぜ横になったときに苦しくなるのですか?

 心不全の方はもともと心臓のポンプ機能が落ち、からだのなかで血液を循環させる力が低下しているだけでなく、肺に水分がしみ出して(肺うっ血)酸素を血液に取りこみにくい状態にあります。からだを横にすると、下半身から心臓にもどる血液の量が増えて、さらに心臓への負担が大きくなり、苦しくなります。また起き上がった姿勢にくらべて内臓が肺を圧迫するので呼吸自体も苦しくなります。この状態は上半身を起こすことで楽になりますが、これは「起坐呼吸」といって心不全に特徴的な症状です。高い枕のほうが楽になる、というのも心不全になりかけている兆候かもしれません。


 心不全といわれたら、とにかく安静にしていなくてはいけないのでしょうか?

 心臓は非常に丈夫な臓器で、多少具合がわるくてもそれを表に出さないようにする代償機構がそなわっています。そのため心不全の症状があらわれたときにはすでに重症になっていることもあります。そのような場合、最初は安静にしていなくてはなりませんが、病状が改善してくるにしたがって少しずつ起き上がったり歩いたりするリハビリテーションを行います。病状が軽くなれば無理をしない程度に普通に生活を送ることができます。


 薬をきちんと飲んでいれば、ほかに治療は必要ありませんか?

 薬をきちんと飲むことはとても大切ですが、それだけでは不十分です。薬によって病状が安定してきたら、少しずつからだを動かすようにします。適度な運動をすることで、心不全の症状が軽くなることがわかっています。ただし、必要な運動量には個人差があり、それぞれの方に適した運動法と運動量があります。がんばりすぎるとかえって悪化することもありますので、医師や運動療法士の指示をきちんと守ってください。また、生活習慣の改善(禁煙、禁酒、肥満の是正、減塩食、水分摂取の制限、高血圧や糖尿病のコントロール等)については、薬を飲んでいても継続してください。


 心不全の治療薬を複数飲んでいます。
一生同じ数だけ飲み続けることになるのでしょうか?

 慢性心不全では薬による治療が不可欠です。そしてそれぞれの薬剤の処方目的が違うので複数処方されているのです。あなたの心不全の状態に応じて薬の種類が変わったり、量が変更になったりします。自覚症状が良くなったからといって自分の判断で薬を減らしたりやめたりしないことが大切です。自覚症状の改善は薬の効果によるもので、薬をやめるとかえって悪化してしまう場合があります。


 心不全になったら、スポーツはもうできないのでしょうか?

 重症度によります。また、心不全に合併することが多い不整脈の種類によっても運動がどれくらいできるかが変わってきます。運動して苦しくなったときは、すぐに中止してください。医師が指示する運動量を守ってください。ゲーム性が高いスポーツはついがんばり過ぎてしまうことがありますので、とくに注意が必要です。


 血圧が高いわけでもないのに食塩の制限を受けました。
また、水分の量も制限されています。なぜですか?

 心不全では体内の水分が滞ってからだのむくみとなってあらわれることがあります。塩分の多い食事をとっていると、血液中の塩分濃度をちょうどよく保つために水分を多く摂取したりからだからの水分の排泄が制限されたりし、その結果、からだがむくんでしまいます。この状態は機能の低下した心臓にさらに負担を強いることになります。ですから、心不全の治療の一環として塩分や水分の制限が行われるのです。


 減塩がうまくいっているかどうかをみる簡単な方法がありますか?

 退院したときには体重が減っていても、しばらくすると体重が増えてくることがよくあります。ほとんどの場合、原因は自宅に戻ってから塩分の摂取量が増えたためです。したがって、退院後も毎日体重を測っていると、減塩が守られているかどうかがわかります。


 血圧や血糖値が高いことも心不全の悪化に関係しますか?

 心不全の原因はいくつかありますが、高血圧もそのひとつです。高血圧は血管の中を流れる血液の圧力が高い状態ですから、心臓が血液を送り出すために大きな負担がかかってしまいます。糖尿病は心臓病や血管疾患を起こしやすくする危険因子です。ですから、もちろん血糖値も血圧も高い状態が続くのは、心不全にとってよくありません。目標値を決めて、できるだけきちんと血糖値をコントロールするようにしてください。


 太りすぎといわれました。ダイエットしないとだめですか?

肥満は心臓の病気にとって大きな危険因子です。心不全になっていなくても心臓の病気といわれたら肥満傾向にある方は減量するように心がけてください。心不全の場合は、心臓の機能をチェックするためにも厳重な体重管理が求められます。体重が増加するとからだ全体の血液量が増えますので、それだけ心臓に負担をかけることになります。逆に体重が減少すると心臓への負担が減りますので、心臓の機能に少し余裕が出てきます。ただし急激にやせたり、やせすぎたりするのはかえってからだに負担がかかりすぎてしまうので、ゆっくりと適度な減量にとりくんでください。肥満といわれるのはBMI(ボディ・マス・インデックス)で25以上です。BMIは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の式で計算することができます。


 お酒やタバコはやめなくてはいけませんか?

アルコールもタバコも心臓の病気では危険因子とされています。心不全がない高血圧の患者さんであれば、禁酒ではなく節酒でよいとする指針もありますが(日本高血圧学会/高血圧治療ガイドライン)、心不全の状態となったら禁酒は不可欠です。タバコは心不全の原因となる病気のすべてに対して悪影響があることがわかっています。もちろん心不全の進行も早めてしまいますので禁煙してください。


 妊娠や出産はあきらめなくてはなりませんか?

 心不全が重症であれば妊娠・出産は母体に大きな危険を及ぼします。妊娠中に母体の体重が増えるとともにからだ全体の血液量も増えて、妊娠9ヵ月にはもっとも多くなり、心臓に強い負担をかけてしまうからです。軽症であれば出産することは可能ですが、産婦人科、循環器科の医師と相談し、厳重にコントロールしながら慎重に経過をみていく必要があります。
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